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エイリアン コヴェナント(娯楽版エイリアン)

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 プロメテウスに引き続き、リドリー・スコットによるエイリアンものです。初代のテイストから、人類とエイリアンの起源、というちょっとばかりあたまでっかちなテーマ性にかたむきつつあるので、そのあたりが受け入れられるかどうか、かな。とはいえ、サスペンスホラーとしての「エイリアン」はしっかり含まれているのでそのあたりはさすがです。監督としては、前日譚の続編、という第一義と、やがて初代につながる物語の穴埋め、という二つの目的があったようですが、前者はともかく後者についてはまだしばらく作品を展開させる気まんまんです。
 先の作品に繋ぐ必要があるため、この物語はハッピーエンドにはならないことが決まっていました。もともとエイリアンという作品のもつ閉塞感が、作品自体の立ち位置にまで影響しだした、といっても良いかもしれません。さらに、前作のプロメテウスにおけるエンジニアと人類とエイリアンの関係が、コヴェナントではさらに強い意図をもってドライブされていくことが示されます。このあたりも壮大にし過ぎて好き嫌いが分かれるところでしょう。

 クリーチャーとしては新しいものも、劇中にでてくるスケッチも、どれもギーガーテイストで期待をうらぎりません。エッグからのフェイスハガーもちゃんとある。ただ、今回の奴らは妙に成長がはやいので、初代のように「いつのまにか形態をかえて襲ってくる」感じにはなりません。なにしろ、チェストバスターがいないくらいなので。それでも、ゼノモーフは活躍するし、エイリアン好きなら楽しめる映画になっています。監督らしい大規模な映像の美しさも健在です。
 なんというか、「物語と背景」を監督が語りたがっちゃったせいでいろいろともったいないことになっています。ただ、「このテ」でいくのならばまだ当分はシリーズ作品がつくられるでしょうけど。

 初代エイリアンのような閉所での緊迫したシチュエーションサスペンスホラーがお望みならばこれよりもライフのほうをおすすめいたしますです、はい。

 いま、コメントを聞きたいのはジェームズ・キャメロンなのだけれど、あのひと映画製作へのスタンスがかわっちゃったからなあ。