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ミニフィルムの現像(すでにある種の懐古主義)

 「塩ビ管現像」「メビウスの輪タンク現像」などがネットの検索でヒットしますが、じゃあおまえはどうやっているんだよ、という話など。とはいえ、趣味と仕事柄、という理由で昔からモノクロフィルムの現像は散々やっているため、まったくの初心者の方にはあまり参考にならないと思います。環境としては、「暗室をもたない」普通のマンション生活、と思っていただければ。

 昔は、巻き込みが楽であることを理由にkingのベルト式タンクを使っていました。ベルトで背面合わせで挟めば一度に35mmを二本現像できる上、本数が多い時(割とそういうことがあったので)3ロールタンクを使って一度に6本現像、とかもやっていました。だんだん現像する本数がそれほどではなくなってくると、現像液のロスが気になったり温度管理が楽な方がいいな、と思ったり、で、LPLのステンレスタンクにシフトしました。これは両溝式なので、ダークバックで巻き込むのに若干の慣れが必要です、今回の写真趣味の復活に当たってもやはり少し練習をして当時の手の感覚を思い出す必要がありました。ただ、このタンクについては、昔、カメラ市で16mm用のリールも入手していたので、それが現在のメインとなっています。片溝式なのでこちらもやはり若干のコツが必要ですが(購入当時は16mmなんか全然触っていなかったはずなので、よくぞ買っておいた、と過去の自分を褒めています)。写真は、かわうそ商店さんから購入できるORWOの16mmフィルム(10m。カートリッジを止めるときにつかっているKittaのマステと)と16mm用のリール(おそらくISE製)です。

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 それ以外、となると、現状ではリールやベルトの入手が困難なのが辛いところ。比較的手に入りやすいのが実はロシア製のものです。これは、ミノルタ16のコピー品であるkiev30や303を購入するとついてくるリールを使う方法。ロシア製のタンクそのものも必要になりますが、こちらもオークションで結構安価にでています。片溝式のリールに16mm幅になるアダプターをつける感じになります。写真のKiev30のパッケージの中に黒い円筒がみえていますがそれが16mm幅用のリール。右側がロシア製の現像タンクに16mm用のリールをあわせた様子です。とはいえ、入手はしたもののまだ実際には使っていません。

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 あとは、運がいいとキングが出していた16mm用のベルトとリール、というのが手にはいるかもしれません(写真)。ただ、こちらもキングのタンクと軸が別途必要になるのがつらいところ。それに、とっくに製造中止になっているのでベルトが破損したら(割とある)仕方がありません。他には、eBayを見ているとJoboのリールなんかも時々出品されています。こちらもいまのところはオークションで手に入りますがたぶんだんだん入手困難になるのではないかしら。個人的には16mmのステレンレスリールをもう一本くらい予備で確保したいところです。カメラ市などでこのあたりのリールをもし見かけたら、当面の利用予定はともかく確保はしておくこと、をお勧めいたします、はい。

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 ミノルタヤシカも16mm用の現像タンクをだしていたのですが、こちらはもっと入手困難なのではないかしら… ガミのタンクも結構いい値段がしますし。
 Minoxについては、もう、事実上純正現像タンク一択にちかい状況です。ナイコール式のステンレスリールのほうがずっとレアですし、フィルムの上下にほとんど余裕がないのでベルト式ではうまく現像できないので。どうしてもベルト式で現像する、という際はフィルムの背面がベルトに合うように両端を貼り付けてしまう、というやり方がありますが、途中が緩むとムラの原因となるのであまりオススメしません… ただ、純正タンクは結構な数が出回ったらしくていまのところオークションで比較的容易に見つけられます(値段はピンキリですが)。「撹拌用の温度計」の有無が気になるところですが、実は普通の棒温度計でもある程度は撹拌できますし、直径をあわせた棒であればなんでも良いので、タンク本体が痛んでいなければO.K.です。フィルムのタンクへの装填から明所でできるようになっている上、一度に使用する液も40mlですむ優れものです。こちらも「ないとどうしようもない」モノなので、手元には予備のタンクを一つ用意しています。ベークライトが割れでもしない限り、大丈夫だろうとは思うのですが。Minoxタンクを使うときに注意点らしきこと、といえば、フィルムをタンクにセットするときにカートリッジのブリッジを折らないようにする、くらいでしょうか。あ、注ぎ口から液を排出するときに傾けすぎると中央の軸からも溢れる、というのも注意といえば注意かな。

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 現像については、特になにもなければフジのスーパープロドール(SPD)の一対一希釈、酢酸停止、スーパーフジフィックス定着、QW、ドライウェル、というスタイルでやっています。SPDを使っているのは単に手持ちがあったから、という理由なのでそのうちいろいろと試して見たいとは思っています。ただ、ミノックスについては画像の粒子が気になるのでH&W ControlをA液B液から使用時調整の使い切り、というやり方をしています。H&Wは一回調整するとABそれぞれ50mlできるので、実質50回分です。H&W現像液レシビのつらいところは、現在のところフェニドンが入手困難、というところでしょうか。試薬会社での扱いはある(ネットで型番、値段もわかる)ので、薬局等で注文して取り寄せてみる、感じになるかと。定着液も、粉末のフジフィックスがなくなり、濃縮液のスーパーフジフィックスにおきかわっていたのは軽いショックでした。スーパーだって昔はこなからとかしていたし、器具等の洗いが甘いと白くあとが残るので気を遣うしろものだったのに、今度のスーパーフジフィックスはそんなこともありません。なにか変わったのかしら。とりあえず、便利なのは確か。基本的なビーカー類はダイソーの調理用カップですませています。

 豆知識として、夏場の液温調整には、ダイソーで売っている「薄まらない氷」を使っています。これは、キューブの中に水が密閉されていて、それを凍らせて使うタイプ。ビーカーに用意した現像液にこの凍ったキューブを二つほどいれて温度を下げます。冬場は、洗い物用のバットに水を張り、熱帯魚用のヒーター、サーミスタ、そしてタミヤの水中モーターの組み合わせでビーカーごと温度あわせをしています。これ、35度まであげられるのでカラーもいけるはずです。風呂場や洗面所を確保できるのなら、給湯温度をあわせて流しっぱなし、というのも楽です。あと、フィルムの乾燥では、ケチらずにフィルムクリップをつかうこと。16mmだとウェイトをつけた洗濯ばさみでもなんとかなることはなるのですが、フィルムによってはねじれます。