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エスプレッソ ドッピオ現像(コーヒー、といえばエスプレッソ)

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 エスプレッソ、好きです。少し前にスターバックスの某店でドッピオを頼んだらお店のお姉さんに「お客さん、苦いの飲めるんですね、すごいですね」と謎の褒められ方をしたくらいにはエスプレッソが好きです。以前はカルメンシータでマキネッタ方式のエスプレッソを作って飲んでいたのですが、カルメンシータ自体のサポートが薄くなってきた(というか大元が倒産していたらしい)ことと、デロンギエスプレッソマシンをプレゼントでいただいたことから、マシンを使うようになり、デロンギのグラインダーも手に入れて豆から挽くようにもなりました。なにしろ、エスプレッソというだけあって抽出までにかかる時間が普通のコーヒーよりも短時間で済むので朝とか重宝します。エスプレッソは、高温高圧で抽出するためにコーヒーの成分はレギュラーよりも多く含まれる、といわれています。また、エスプレッソ用の豆は基本的に深煎りされているためにカフェイン量は相対的に少ない、とも。
 つまり、エスプレッソコーヒーとは、「高温」「高圧」「深煎り」で濃いコーヒーを抽出できる、わけです。

 さて、なんかいろいろ調べているのだけれど本家Caffenolのサイトは確実だなあ、という感想です。そもそもコーヒー現像というのは「コーヒーに含まれているハイドロキノン」を使った現像方法なので、現像ができている時点で「ハイドロキノン処方」の1バリエーションなのになあ、とか。「体に害のあるハイドロキノン、環境に悪いハイドロキノン」のかわりにコーヒーを使った現像だから環境にやさしい、とか考えてしまっている人は、騙されているのでちょっと深呼吸をしましょうね。それ、「現像が可能な程度の分量のハイドロキノン」を精製された試薬ではなくコーヒーから適用している「だけ」で、やっていることは「ハイドロキノンを主剤とした現像液」を用いたフィルム現像です。コーヒーだから環境にいいとかコーヒーだから流しても構わないとかいうのなら、SPDやD76だっておんなじじゃないの?と。精製されていない分、廃液の環境負荷も高いかもよ?と。まあ、ハイドロキノン以外のコーヒー成分によって現像ができる、だったらもっと面白かったのになあ、とは確かに思いますけどね。

 レギュラーコーヒーではうまく現像できない、といわれています。実際にレギュラーコーヒーでやってみたけれどうまくいかなかった、というサイトもありました。通常のコーヒー現像に用いるインスタントコーヒーの分量を考えると、それはたぶんハイドロキノン含量がそのままでは少ないから、と考えられます。それに、インスタント「だから」できる、とも考えにくいし、海外では「自分で焙煎した珈琲で現像」している人もいるわけです。先のクロロゲン酸の失活対策の文献にあったように、高温高圧にするとハイドロキノンが余計にでてくる、ということを合わせて考えると、レギュラーコーヒーであっても冒頭の「深煎り豆のエスプレッソを濃いめのドッピオ」で用意すればどうだろうか、と思い至るわけです。エスプレッソにした場合のヒドロキシハイドロキノン含量の資料がないので試しにやってみる感じ。
 インスタントコーヒーのネスカフェの説明には1カップあたり小さじ2杯くらい、という表記があるので、コーヒー現像ではその3倍から4倍をいれている計算になります。と、なると4杯分としてエスプレッソのドッピオ2杯分だったらどうだろうか、という安易な発想。デミタスカップ1杯がおよそ30mlなので、分量の調整も楽そうです。高温高圧でヒドロキシハイドロキノンが溶出される、という記述も信じたが故のエスプレッソです。CCHとしては溶かす順番があるので、半量以下の80ml弱の水に炭酸ナトリウム10.8g、ビタミンC3.2g、ブロムカリ0.2g(大事!)を順に溶かしたあと、抽出したエスプレッソ120ml分を追加し、200mlにメスアップ(ここで冷水つかうと温度調整が少し楽)。コーヒーは以前豆を挽いた後に余った粉(酸化しちゃっているので味は落ちてる)を有効利用しました。コーヒーが熱いので20℃まで丁寧に冷やし、5分の前浴から現像15分。水洗3回、あとは普通に定着。

 で、あっさり成功しました。やっばりね、という感じ。カフェポッドが4個もあれば現像はできる、ということがわかりました。ぶっちゃけ、体に何かが悪いとすれば炭酸ナトリウムによるアルカリだろうなあ。

・「現像できればいい」というスタンスであれば、別に計りで重さをはからなくても「大さじ小さじ」による計量でもたぶん現像はできます。
・カフェノール処方では20℃での処理が基本ですが、これも多少ぶれても現像はできるでしょう。ただし、コーヒー現像はカブリが出やすい(ネガが黒くなりやすい)ので注意。
・材料を溶かす順番も実はカフェノール処方では指定されています。まあ、コーヒー現像では使用する種類も少ないので「まとめて溶かす」のでもなんとかなりそうですが。

 ただ、失敗した時の原因の切り分けのヒントになるので、やはりできれば「それぞれ重さを測る」「温度は一定」「溶かす順番を守る」は実践した方がいいだろうと思います。

 「高級なインスタント珈琲を使っても現像できない」という表現をネットでみかけました。高級ってプレジデントみたいなやつなのかな。可能性としては、「血圧降下作用のあるクロロゲン酸効果を高めるために前もってヒドロキシハイドロキノン含量を減らしてある」珈琲である可能性が考えられます。そのあたりの記載がメーカーの資料ででていればいいんですけどねえ。「そういう特許」がある以上、「そういう珈琲もある」と思っておくべきでしょう。


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