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リコー ステキー(驚きの小ささ)

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 1946年製。いまのところ知る限り最も古い16mmカメラ。ほとんど姿を変えずにステキーII、III、とすすみ、突然横に倒れて金ピカになっちゃう未来をもちます。最も古いけれど、レンズ交換式のダブルマガジンというとんがった設計。マガジンがMamiyaと共用可能、という話もみたことあるけれど、どうやらそれはゴールデンステキーのことのような。(このステキーはダブルマガジンではあるけれどフィルムの走行が複雑なのでブリッジ付きのマガジンではたぶんだめ。そもそもマガジンが小さくてマミヤのは入らないです)。
 手元に届いて、写真で見ていた印象よりもずっと小さいことにまずびっくり。そして、なんとなく玩具カメラみたいなものをイメージしていたら、全然違います。みっちりとメカを詰め込んだ極小の機械。このサイズでレンズ交換までやってのけたしファインダーも素通しではない逆ガリレオ、という凝りよう。こりゃたしかに見た人に「ステキネー」と言われもしましょう。ピントは固定焦点。ボディのサイズは、たぶんいままで触ったことのある16mmカメラで一番小さいです。
 マガジンは同じものを二つ使い、下側が供給用、上側が巻きとり用、なのですが、そこまでの間にカメラ上部のスプロケットを通しておく必要があり、ちょっとフィルムの走行が複雑です(通しておかないと巻き上げとシャッターチャージが連動しない)。さらに、両マガジンとも軸があるので、フィルムの巻き込みにもちょっと手間がかかります。供給側には巻いたフィルム放り込んでおしまい、とはいきません。先端を細くカットしてスプールの溝に刺し、そのまま軸に巻いた後、マガジンの蓋を閉める、までがダークバック作業。そこから巻き取りスプールのセットと、スプロケット周りへの装填をして始めてフィルムの装填が完了します。うーむ、お作法。もしかして供給側の軸をつかわないでフィルムをいれるだけ、にしてもいいのではないかしら。もちろん、軸の穴のところは塞いで遮光する必要はあるけど。これ、ダークバッグ内でリールに巻いてマガジンにいれる、というのが結構面倒です。苦肉の策として、一旦ミノルタのマガジンの供給側に巻き込み、先端をリールの軸に取り付け、あらためてダークバッグ内でリールへの巻き込みとマガジンへの移し替えをする、という二度手間方式でやっています。もう少しうまい方法があればいいのだけれどなあ。

 使ってみると、なかなかしっかりとしています。フィルムの装填も面倒臭いと思ったけれど、実はこれってフィルムがスプロケットにかんでいるときだけシャッターがチャージされるので、「フィルムが終了」して「供給マガジンが空」になって巻き上げ終わると、自動的に巻き上げがフリーになり、終わったことがはっきりわかります。たとえカウンターがちゃんと動作していなくても(この機体もカウンターはちゃんと回りません…)あ、いまフィルム終わったな、とはっきりわかるのって実はとても安心感があります。シャッターが1/100までしかないのがちょっと惜しい。せめてもう一段、1/200まであればなあ。

 あと、デザイン的に基本的に縦位置での撮影となります。また、シャッターがボタンではなくレバーです。つまり、「手ブレをおこしやすい」のです。これもかわいいデザインの中で残念なことの一つ。まあ、ゴールデンステキーが横型になったのはそういう理由もあったのかもしれません(金ピカにすることはなかった気もするけど)。
 総じて、ステキーは若干のお作法はあるけれど、使っていてとても気持ちのよいカメラです。うん、気に入った。
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