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Contax AX (アイデア勝負の penultimate CONTAX)

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 AF機で出遅れた京セラが、「既存のツアイスレンズという財産」を有効活用するためにはこれしかない、とばかりにRXをひきついで1996年に出してきた変態機種がAXです。マニュアルフォーカスの過去のレンズ資産を無駄にせず、そのままAFの効くボディがあればいいんだろう、という発想。それを、現実に実用的なレベルでやってのけたのだから、変態としかいいようがありません(べた褒め)。
 分厚いけれどさほど重く感じるわけではないボディ。AFのモードとレンズのヘリコイド位置を把握すれば等倍近くのマクロでもAFがきく。マクロモードにすれば接写リングを一段内蔵しているようなもの。等々、実にユニークな「あらゆるレンズをAF化」するボディがAX。これ、Sプラナー60mmとかマクロプラナー100mmといった等倍を出せるマクロレンズとの相性が抜群によいのです。M42アダプターを介すればさらに大量のレンズ群がAF対象となってしまいます。
 一時期調子がわるくなりしまいこんでいたのですが、思い立ってひっぱりだしてみたらそこそこ動きます。調子が悪い、というのはシャッターを切った際にミラーが上がりっぱなしになる、というやつで、あらためて調べて見たらコンタックスボディの持病みたいな「ミラーずれ」が原因のようです。最初は電子系が死んだのだと思い込んで修理費用を考えて諦めていたのですが、たぶん、そうやって何年もしまいこんでいる内にまたミラーが逆にずれて動くようになったのでしょう。で、うごくものだからうれしくなってフィルムいれて撮っていたらミラーアップが再発。うーむ、いまはRTS IIIが手元にあるので急ぎはしないけれど、この二重ボディAFの癖のある機種もお気に入りなのでなにか対策をとらないと。
 岡谷ももうおわってしまっているので、修理に出すとすれば諏訪なのですが、そのまえに、ネットでみかけた「ドライヤーであたためてミラー位置を押し戻す」を試してみることにしました。ミラーだけの問題だし、簡単に対応できるならやってみようか、と。ミラーを剥がして貼り直す、というのは貼り直すときの粘着剤の厚みも考えなれければならないのでちょっと敬遠しました。
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 左が対応前のミラー位置。2mm近くミラーが外(下側)にはみ出しています。確かにレンズの後端を見てみると金属部分に一部なにかがあたってこすれたあとがあります。ここがガラスだったら、と考えるとぞっとするわけですが(幸い後玉の飛びてるタイプはもっていないのですが)、シャッターが上がる際にここにミラーがあたり、抵抗を感じてそこでストップする、ということなのですね。で、レンズをはずしてシャッターをきれば抵抗はないのでそのままミラーも戻る、と。ミラーをもちあげた状態で下からドライヤーの熱風をしばらくあて、粘着剤がゆるんだあたりでゆっくりとミラーを元の位置に押し戻していきました。そんなに長時間熱風をあてなくても動くようになります。戻したあとが右側。ぴったりおさまっています。ほんと、なんでここに枠をつくってくれなかったのやら…いや、そもそもなんで両面テープなんかでミラーをとめていたのやら…
 このミラーずれ、初代RTSでは経験したことがなかったのです。三代ほど初代RTSを使ってからたどりついたのがAXだったため、予備知識がなかったわけで、念のため先日やってきたRTS IIIをみてみたらさほどではないけれどコンマ数ミリずれ始めていたのでこちらもあたためて対処しておきました。ずれたらまたなおしましょう。AXはこれでばっちり何の問題もなく動作するようになりました。

 AXを使うときのいくつかのお約束、みたいものがあります。まず、ボディ背面右上のAFモードを理解して使うこと。ピントヘリコイドをどれくらいくりだしたかでAF範囲が決まるので、そちらも常に意識すること。ファインダー内に表示されているボディ位置指標に意識をやること。電池が減ってくるといきなり動かなくなるので、予備の電池はあったほうがいいです。そして、「裏蓋を開けたまま電池を一旦外して戻す」「裏蓋の開け閉めをする」ことを覚えておくこと(大事)。これでおかしくなっているように見えた動作がリセットされることがあります。電池交換時にファインダー内表示がつかなくなった、とかもこれでつくようになったり。
 ASAの設定が左のダイヤルと右側のボタン操作だったり、ミラーアップがなかったり(RTSではない、ということでしょう)するけれど、ファインダーの視度調整とかアイピースシャッターもあるしスクリーンの交換もできるし、秒5コマ連写、最高速は1/6000、と相応に上級モデルなのです。

 ミラーずれの対策、というほどではありませんが、置いて置く時にはマウント部を上むきにしておくほうがよい、かもしれません。
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